鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 弱さをみせることが、怖い。お姉ちゃんなのに、と幻滅されることが怖い。

 甘える方法を忘れたまま隠すことだけがうまくなって、いつしかシュエットは、なんでもそつなくこなす人を装えるようになっていった。そのせいで、ますます甘えられなくなるとも知らずに。

 そんなシュエットが一人暮らしをすればどうなるのか。

 それは、火を見るより明らかだ。

「試練の時以外、僕からは決してあなたに触れないし、ここに置いてくれるなら、僕が全ての家事を請け負う。どう、だろうか?」

 なんという好条件だろうか。

 エリオットの提案に、シュエットは思わず「よし、乗ったァ!」と言いそうになった。
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