鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
(この美貌で、どう考えても女の子たちが放って置かなそうなこの顔で、誰とも握手をしたことがないの……?)

 だが、学生時代は得体が知れない男だった。

 シュエットは、いつも遠巻きにされていた彼を思い出す。

 いつも物言いたげにジトリと見てきて、なのにその顔はいつだって前髪で隠れていて表情が読めない。

 前髪の奥にこんな美貌があったなんて、誰が想像できただろう。

 そう考えると、シュエットの考えはあながち不正解とも思えない。

 それどころか、かなりの確率で正解なんじゃないかとさえ思えてくる。
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