鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜

4

 市場で買い物を終えると、エリオットの腕には抱えきれないほどの袋がぶら下がっていた。

 さすがに一人で持たせるには申し訳ない量で、「これは僕の仕事だから」と遠慮するエリオットからシュエットはいくつかの袋を取り上げて持つ。

 来た道を戻るのかと思いきや、エリオットの足はシュエットの家とは違う方向へ向かおうとしていた。

 シュエットは、まさかまだ買い物をするつもりかと、ギョッとする。

 思わず腕を引いて引き留めた彼女に、エリオットはキョトン、と掴まれた腕を見て、それからはにかんだ表情を浮かべた。

「さすがにもう、買い物は無理よ?」

「買い物じゃないよ。シュエットの部屋に住まわせてもらうのに、着替えとか取りに行きたいだけだ。それに、説明もしなくてはいけないし……」
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