鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 だが最近、魔導書院に使われている一部の魔術にほころびが出始めていた。

 どんなにエリオットが頑張って魔力を注ぎ込んでも足りない。注いでも注いでもすり抜けていってしまうような感覚。

 今までだったら、一日一回で済んでいたのが、徐々に二回三回と増えていく。

 結果、エリオットは魔力不足で体調を崩すようになった。

 メナートには「仕事が嫌だ」と言っているので、エリオットが駄々をこねているようにしか見えていないだろう。

(メナートは、知らなくて良い)

 そうでなくとも、面倒をかけている。余計な心配など、エリオットはさせたくなかった。

 国王曰く、新しい魔導書院になれば改善されるらしいが、どうなることやら。
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