鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
(そういえば、シュエットと一緒にいるときは息がしやすい)

 一人でいるときは、いつも息苦しい。魔導書院がエリオットの魔力を吸い取ろうとするから。

(これが、恋の魔法というものだろうか)

 ふと、と学生時代に読んでいた恋愛小説の一説を思い出す。

 恋する女の子は強いのよ、だったか。

(恋する男も、強くなるのだろうか)

 それならいいな、とエリオットは思った。

「シュエットは、店を営んでいる。僕のせいでこうなったんだ。これ以上、彼女に迷惑をかけるわけにはいかないだろう」

 至極真っ当な言い分に、メナートは「うぐ」と言葉を詰まらせた。
< 182 / 361 >

この作品をシェア

pagetop