鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 エリオットは今まで、人と距離を置いてきた。そんな自分が、何を言えるというのか。

 慰めの言葉を言おうにも、彼女が望んでいるのはそんな言葉ではない気がした。。

 エリオットは決まり悪そうに、ソワソワした。

 嫌な沈黙が二人の間に落ちる。

 どうにかして、シュエットを元気付けてあげたい。

 しかし、エリオットにできることで彼女が喜ぶことなどあるのだろうか。

 ご飯を作る? 
 いや、それはいつものことだ。

 じゃあ、お菓子は? 
 シュエットの好きなお菓子なんて、知らない。

 ソワソワと落ち着かなげに隣で身じろぎするエリオットに、シュエットは「ふふ」と力なく笑った。

 気遣わせてしまった。そうとわかるくらい、シュエットの声はため息混じりだ。

 こんな時、恋愛小説に出てきたヒーローたちは、どうしていただろう。
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