鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 正直に言おう。

 エリオットを一目見て、公爵だと見抜ける者はいない。

 さて、そんな彼だが。今現在、少々困ったことになっていた。

 彼の隣では、鳥籠を持って嘆き悲しむ部下が、窓枠にへばりついて何事かを叫んでいる。

「うるさい」

「うるさいってなんですか、うるさいって! こんなことになっているのも、全て院長のせいでしょうに!」

 キャンキャンと騒ぎ立てる部下に、エリオットは再び「うるさい」と気怠げに呟いて、眉をひそめた。
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