鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「ええ。私は思うだけで、具体的に改善させる方法を考えたり、実行したりしなかった。なのにエリオットは、私がちょっと話しただけの情報から、ここまで考えてくれたのでしょう? それって、とてもすごいことだと思うわ。エリオット、本当にありがとう!」

 シュエットに手を握られて、その上、熱のこもった目で見つめられて、エリオットの頬が赤く染まる。

 恥ずかしげに視線を逸らすエリオットに感化されたように、シュエットも羞恥を覚えた。

「ごめんなさい。試練の時以外は、気軽に触れちゃいけなかったのよね?」

 あの時エリオットは言っていた。「試練の時以外は決して自分から触れない」と。

 それはきっと、エリオットだけではなくてシュエットもだったのだ。

 思い至って、シュエットは慌ててエリオットの手を離した。もうそれ以上触れませんと言うように、ギュッと拳を握り込む。
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