鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
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 男が見せてきたプランは、文句の言いようもない完璧なプランだった。

 ミスでも見つければ突いてやろうと、大人げなく息巻いていたパングワンは、しかし目を輝かせることとなる。

 動物を愛でるためのカフェというのが、隣国で流行っているらしいといううわさは耳にしていた。

 動物を商売にする者として、そのうち旅行がてら視察してみようか、と妻と話をしたのは、つい最近のことである。

 なんといっても魅力的だったのが、初期費用の低さ。

 カフェというなら、テーブルや椅子など買いそろえなくてはいけないものがたくさんある。

 金がかかるそれらを、男は、まもなく移転するヴォラティル魔導書院から譲り受ける約束まで取り付けていた。
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