鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
母の顔でほほえむシーニュは、とてもきれいだった。
出会った頃よりも年を重ねて、それでも彼女は美しいままだ。
ふと、パングワンの目に本棚が映る。
一番下にしまってある、分厚い本。背表紙には『ジンクスについてのはなし』と書いてあった。
シュエットがジンクスについて気にするようになった時に、彼女にねだられて購入したものだ。珍しいわがままに、思わず値段も見ずに買って、少々後悔した代物である。
「なあ、シーニュ。ジンクスの語源を知っているかい?」
「いいえ、知りませんわ」
「アリスイというキツツキが語源なのだよ。アリスイはね、自らの首を百八十度回転させて真後ろを向けるから、不吉とされてきたんだ。そんな背景もあって、しばしば占いや魔術に用いられてきたらしい。シュエットはジンクスに縛られている。三人きょうだいの一番上はうまくいかない、というジンクスをね。そんなあの子をきつつきが救ってくれたのなら……妙な結びつきだと思わないか」
出会った頃よりも年を重ねて、それでも彼女は美しいままだ。
ふと、パングワンの目に本棚が映る。
一番下にしまってある、分厚い本。背表紙には『ジンクスについてのはなし』と書いてあった。
シュエットがジンクスについて気にするようになった時に、彼女にねだられて購入したものだ。珍しいわがままに、思わず値段も見ずに買って、少々後悔した代物である。
「なあ、シーニュ。ジンクスの語源を知っているかい?」
「いいえ、知りませんわ」
「アリスイというキツツキが語源なのだよ。アリスイはね、自らの首を百八十度回転させて真後ろを向けるから、不吉とされてきたんだ。そんな背景もあって、しばしば占いや魔術に用いられてきたらしい。シュエットはジンクスに縛られている。三人きょうだいの一番上はうまくいかない、というジンクスをね。そんなあの子をきつつきが救ってくれたのなら……妙な結びつきだと思わないか」