鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 ちらりと隣を見てみれば、固まっているエリオット。

 単語だけで顔を真っ赤にしている彼に、そんな試練は酷というものだろう。

 先週、荒ぶる父を前にして、シュエットを庇うように前へ出てくれた彼はとても勇ましく見えたのに、今の姿からはとても想像がつかない。

 例えるならば、目つきからして怖いオオワシと、愛らしいフワフワの子フクロウくらいの差がある。

「ピピ、それはいくらなんでも、難易度が高いのではない?」

 シュエットは縋るように、ピピを見た。

 だがピピは、「いやだ」と意地悪く笑ったままだ。

(いっそ、私からしてしまいましょうか)
< 220 / 361 >

この作品をシェア

pagetop