鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 そんなわけで、二人はピピに頼み込んだ。せめて半日で良いから、個人行動を許可してもらいたい、と。

 結果、ピピからは無理難題を言い渡されているところだった。

「そうか、残念じゃ。これ以外となると、一晩一緒のベッドで眠るとか、公衆の面前であーんをするとか、そういうヤツになるのじゃが……どれが良いかの?」

 さすがのシュエットも、ピピの提案には驚きを隠せない。

 禁書の効果でエリオットと離れられなくなってから三週目。試練の内容がいよいよ恋人らしくなってきたことは、喜ぶべきなのか、嘆くべきなのか。

 おそらく最終試練が迫ってきているのだろうと察せられるが、その最終試練とやらの内容がキからはじまってスで終わる──もはや言っているも同義なのだが、ボカすのは彼女の精神安定のためである──な気がしてならない。
< 224 / 361 >

この作品をシェア

pagetop