鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 二人きょうだいだったのは、シュエットが七歳までだ。

 七歳の時に、二人目の妹が生まれた。

「じゃあ、七歳以降ということ?」

 父にねだってジンクスの本を買ってもらったのは、十歳の頃だったように思う。

 ならば、七歳から十歳までの間に、何かあったのだろうか。

「何か、あったかしら?」

 ささやかな、どうでもいいような思い出は容易に思い出せるのに、肝心なジンクスについての記憶はおぼろげだ。

 無理に思い出そうとすると、ズキリと頭が痛んだ。

「くぅ……」

 まるで思い出すなと警告するように、頭を締め付けるような痛みに襲われる。

 シュエットは頭を抱え込んで、ベッドの上で丸くなった。
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