鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「問題?」

「この娘、わらわが思っていた以上に厄介かもしれぬ。それでも、おまえはこの娘が良いと言えるのか?」

「シュエットが、厄介? どういうことだ、ピピ」

「三人きょうだいの一番上はうまくいかない。この国に古くからあるジンクスだが……シュエットはそれを、本気で信じ込まされているようじゃ」

「ただのジンクスだろう? 本気で信じ込まされているからって、なにが──」

 なにができるというのか。

 ジンクスなんて、当たったり当たらなかったりするものだ。本気で信じたからと言って、重大な問題にはなり得ない。

「ただのジンクスならば、問題にもならない。だがこれは、ジンクスの域を超えておるのじゃ。もはや、呪いと言っても過言ではない。このジンクスを本気で信じ込まされているがゆえに、彼女は魔力保有量ゼロという珍しい体質になっている。本来は、王族に勝るとも劣らない量を保有できるというのに、じゃ」
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