鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「シュエットは、魔力を保有できない体質だったのか……」

 あえて魔道式の道具に頼らない生活をする者もいるから、彼女もそうなのだと思っていた。

 実際、エリオットの自宅は魔力切れを起こしても使えるよう、魔導式でないものでそろえられている。

 だって、誰が思うだろう。

 王立ミグラテール学院で秀才と呼ばれた彼女に、まさか魔力がないだなんて。

 愕然としながら眠るシュエットを見つめるエリオットに、ピピは続けた。

「彼女は呪われている。このままではおまえが選ばれることはないだろう。おそらく、公爵だと告げた時点で、彼女は逃げる」

「シュエットが、逃げる……?」

「ああ、そうじゃ。三人きょうだいの一番上は、うまくいかない。その通りにするために、彼女はそうするだろう」
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