鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「……そんなこと、許すわけがない」

 エリオットは片頬を上げて、ハッと鼻で笑った。

 まるでピピが、馬鹿なことを言っているかのように。

 彼が持つ深紅の目が、ギラリと剣呑な光を放つ。夜の闇で獲物を狙う猛禽類のように、エリオットの目は鋭くなった。

 ピピは思わず、「ぴゃっ」と声を上げた。

 知っている、この感覚を。

 嫁選びの書を使った王族の中で時たま、こんな顔をするやつが出てくるのだ。そういうやつは大抵、どんな逆境であろうと確実に嫁を手に入れている。
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