鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「あの! 触ってもいいですか?」
「ええ、もちろん!」
人だかりから、一人の青年が寄ってくる。濃い黄色のような金の髪を、後ろでチョンと結っている青年だ。
青年は、人だかりから見えないのをいいことに、シュエットにだけわかるようにニッと笑いかけた。
「一つ、貸しだかんな」
「わかっているわよ」
クリクリとした大きな黒い目が、いたずらっぽく眇められる。
寄ってきた人たちにどうやって手乗り体験をさせるか、実は悩んでいたシュエットは、青年──カナールの助けに感謝した。
「わぁ、かわいい! しかも全然痛くないんですね!」
彼の婚約者曰く『あざとかわいい』顔でニッコリしながら、カナールはいかにも初めてラパスを触りましたといった風を装う。接客業をしているせいか、妙にうまい。
「ええ、もちろん!」
人だかりから、一人の青年が寄ってくる。濃い黄色のような金の髪を、後ろでチョンと結っている青年だ。
青年は、人だかりから見えないのをいいことに、シュエットにだけわかるようにニッと笑いかけた。
「一つ、貸しだかんな」
「わかっているわよ」
クリクリとした大きな黒い目が、いたずらっぽく眇められる。
寄ってきた人たちにどうやって手乗り体験をさせるか、実は悩んでいたシュエットは、青年──カナールの助けに感謝した。
「わぁ、かわいい! しかも全然痛くないんですね!」
彼の婚約者曰く『あざとかわいい』顔でニッコリしながら、カナールはいかにも初めてラパスを触りましたといった風を装う。接客業をしているせいか、妙にうまい。