鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 カナールの質問に、シュエットは表情を曇らせた。

「……どう、かしら。素敵な人だけれど、私にはもったいないというか……ああいう人は、私じゃなくて、もっとお姫様みたいな女の子が似合うと思うの」

 いつもそうだ、とカナールは思った。

 シュエットは、いつも、そう。恋をしても、簡単に捨ててしまえる。

 だけど、今回は、いつもと違うような予感がした。

 シュエットの言葉にはどこか、縋るような響きがあったのだ。

 今までだったら、あっさりしたものだったのに。

 まるでこの恋を捨てたくないと言っているように、カナールには思えてならない。
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