鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
(いや、エリオットがフクロウを熱心に勧めるから、気を引きたくて言っただけかもしれない……って、だめだめ! どうして勘繰るのかな、私は。素直に良かったって思えば良いだけじゃない)

 そう思ってしまう理由は、なんとなく分かっている。認めたくないから、わからないってことにしているけれど。

(三人きょうだいの一番上は、うまくいかない。それを忘れたら、手酷く失敗するって決まっているもの。でも、もしも……もしもフクロウカフェがうまくいって、エリオットの食い扶持くらいは稼げるようになったら……考えてみるのも、良いかもしれないわ)

 どうしてか、シュエットは少しだけ頭がスッキリしたような気がした。

 頭の奥にある霧深い森に、一筋の光が差し込んだような、そんな気分になる。

 すごく晴れやかとまではいかないが、気分が良い。

 その理由を彼女は、目標ができたからかもしれないと結論付けた。
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