鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
(エリオットに頼ってばかりね。たまには、私が何かしてあげられたら良いのだけれど)

 なにが良いかしらと考えながらエリオットを眺めていると、学生時代の彼はよく、中庭の大きな木のそばで昼寝をしていたことを思い出した。

 午睡にちょうど良さそうな日差しが中庭を照らしていて、穏やかに吹く風がサラサラと葉を揺らす。

 芝生の上に寝転がって目を瞑ったら、数秒で眠りに落ちてしまいそうだなんて思ったものだ。

(次の休みは、ピクニックなんてどうかしら)

 ピクニックならば、ピピも試練を出しやすいだろう。

 すっかり慣らされたものだなぁなんて感慨深く思いながら、シュエットは何気なくカウンターの上に置かれたカレンダーを見た。

 次の定休日は、エリオットと再会してからひと月──そう、終わりの日だった。
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