鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「あ……」

 ワクワクしていた気持ちが、萎んでいく。

 彼が決めた期日が、迫っていた。

 シュエットがエリオットを選ばなければ、ピピは記憶を消してしまう。

 でも、エリオットを選んだなら?

 ふと、シュエットは思いつく。

 エリオットがシュエットを憎からず思っているのか試してみよう、と。

 シュエットはおもむろに立ち上がると、エリオットが座るソファの隣へトスンと腰を下ろした。

「シュエッ、ト……?」

 眠そうなかすれた声で、エリオットが名前を呼ぶ。
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