鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「情けないぞ、エリオット。むにゃむにゃと寝言みたいに言いおって。ここはバシッと、舞踏会に誘うのじゃ」

「なるほど」

「公爵位を賜って臣籍に下ったとはいえ、王族に連なる身。姫の扱いは、教わったであろう?」

「まぁ、それなりに」

「大事な女を相手にしているのじゃ。他国の姫よりも優しく丁寧に扱え。わかったな?」

「わかった」

 そうして再びシュエットの前に立つと、彼女は笑っていた。

 せっかくの場面なのにあいかわらずなエリオットだったから、呆れているのかもしれない。

 エリオットは居住まいを正すと、シュエットの前でひざまずいた。
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