鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 こういう時の所作は、嫌というほど叩き込まれている。

 エリオットは今になって、家庭教師たちに感謝した。

 さんざん馬鹿にされたけれど、こうしてシュエットにお披露目できたのは、彼らのおかげである。

『いいですか? 目は口ほどに物を言うと申します』

 そう言っていたのは、何人目の家庭教師だったか。

 エリオットはシュエットへの気持ちを視線に乗せて、ゆっくりと顔を上げた。

 見上げた先で、シュエットがほんの少し驚いたような顔をしている。

 エリオットは小さく息を吐いて、緊張で震えそうになる唇を動かした。
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