鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 めげそうになるシュエットの頰を、夜風がそっと撫でていく。

 誘われるように窓の外を見てみれば、魔導式ランプでライトアップされた中庭が見えた。

(あそこで告白されたら、思わずイエスと答えてしまいそう)

 そんなことを思うのも、仕方のないことだ。

 だって、どうしたって意識してしまう。

 エリオットが決めた期日は今日まで。舞踏会が終わるまでなのだから。

(舞踏会が終わったら、きっと聞かれるわ。私はエリオットを選ぶのか、選ばないのか)

 すべてはシュエットの決断次第。

 あるようにも、ないようにも、できてしまう。
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