鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 ピピに出された最後の試練は、自分の気持ちと向き合うこと。

 エリオットをどう思っているのか、エリオットとどうなりたいのか、自分はどうしたいのか。

 シュエットは考えた。それはもう、いろいろと考えた。

 もしも一生涯のうちに恋に悩める時間が定められているのだとしたら、シュエットのそれはもう限りなくゼロに近いと断言できる。

 それほどまでに、悩んだのだ。

(結論は、出した、けど……)

 でもやっぱり、口にするには勇気が足りない。

(もう、どうしたら……)

 胸がドコドコ連打している。こんなことは初めてで、どうしたら良いのかわからない。

 放っておけば、認めたばかりのこの気持ちが弾け飛んでしまいそうで、シュエットは持っていた扇子でそっと唇を押さえた。

 その時だ。
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