鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 シュエットが拒絶するとは微塵も思っていない。

 とろけるほどに甘く、微笑んでいる。

(……その顔は、ずるい)

 真正面から偽りなく愛情を向けられて、拒否できるほどシュエットは大人じゃない。

 相手のためとか、自分のためとか、いろんな考えをすべてを放り出す。

 ただ、本能のままに。

(エリオットと一緒にいたい。たとえつかの間の夢でも良いから……!)

 これで、最後にするから。

 エリオットにする、最後のわがままにするから。

 そう、言い聞かせて。
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