鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「ねぇ、シュエット。僕はね、この数日、すごく頑張ったんだ。すぐに迎えに行きたかったけれど、その前にどうしてもやらなくてはいけないことがあってね」

 ニコニコと笑顔で話しかけてくるエリオットに、シュエットは居た堪れない気持ちでいっぱいだった。

 ソファの上で身を縮こませて、彼が言う言葉に怯えながら耳を傾ける。

「やらなくてはいけないこと……?」

 それは、魔導書院のことだろうか。

 首を竦めて恐々と問うシュエットに、エリオットは「そう怯えないで」と苦く笑んだ。

 そんなことを言われたって、とてもじゃないけれど無理だ。

 シュエットは侮辱罪でここへ連れてこられたのだ。
< 336 / 361 >

この作品をシェア

pagetop