鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜

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 まず書かれていたのは、『シュエットが信じているジンクスは、誰かにかけられた呪いだ』ということだった。

 シュエットには、『思い込まされたジンクスを実行する』という魔術が行使された形跡があるらしい。

 その魔術は、とある一族だけが使える特殊な魔術だ、とも書いてある。

 魔術のせいで、本来のシュエットは魔力を保有することができる体質であるにも関わらず、魔力保有量がゼロだった。

 三人きょうだいの一番上はうまくいかないというジンクスを真実とするために、彼女の体は常に魔力を放出し続けていたのだ。

 魔力保有量によって人生が左右されるこの国で、魔力保有量ゼロが成功する見込みはまずない。

 ミリーレデル家が裕福だからシュエットは不自由なく暮らしていたけれど、そうでなかったら、ただ生活するだけでも苦労するレベルなのだ。
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