鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「そんな僕だけれど……シュエットだけは、諦めたくなかった」

 エリオットの視線と交わる。

 彼の目は、本気だった。

 本気で、シュエットを諦めないと決めている。

(逃げられない。きっと、どこまでも追いかけられる)

 湧き上がるのは恐怖ではなく、歓喜だった。

 シュエットはひどいことをしたのに、それでも彼は求めてくれている。

 それがどうしようもなく嬉しくて、胸が苦しい。

「僕ははじめ、シュエットはなんでもできる完璧な女の子だと思っていた。でも……一緒に暮らしてみると、完璧だと思っていた女の子は、ちっともそんなことはなかった。どこにでもいるような、苦手なことのある女の子だった。料理が苦手で、掃除も苦手で……」
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