鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「シュエット。言って?」

 しゃがみ込んで、上目遣いで見てくるエリオットは、凶悪なくらいに美しかった。

 もはや、魔性と言っても過言ではない。

 これには、シュエットも沈黙した。

 ずるい、ずるい、ずるすぎる。

 これはかわいい女の子がするから言うことを聞きたくなるのであって、美貌の男がしたら声も出ない。

 いろんな意味で大ダメージを受けたシュエットは、敗残兵のようにぐったりと、頭を下げた。

 ハラリと落ちたシュエットの髪を一房救い上げ、エリオットは見せつけるようにキスを落とす。

 まるで唇にされたような錯覚に、シュエットの頬が一気に赤らんだ。
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