鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「腹がたつなぁ……」

 シュエットを怒らせるのも、宥めるのもエリオットの役目なのに。

 余計なことをするなと、エリオットは扉を睨みつけた。

「男の嫉妬は醜いぞ。シュエットに見限られないように気をつけるのだな!」

 本当に、憎らしい。

 ヤツの名前は、ルネット。

 執事見習いの格好をした少年のような姿をしているが、真の姿は禁書である。

 王族の婚約を司る、婚約の書。

 シュエットと初めてキスをしたあの日、突然現れてエリオットを蹴り飛ばしたとんでもないヤツだ。

 嫁選びの書が無事に役目を終えたあの日、「次はボクだ」とやってきたのがルネットだった。
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