鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 すごく、嬉しい。

 嬉しいには嬉しいのだが、エリオットには少々つらいものがある。

 齢二十二の若き公爵は、公爵である前に一人の男なのだ。

 好きな女性の膝に頭を乗せて、優しい手つきでナデナデなんてされたら、うとうとする前につい手が伸びてしまう。

「エリオット!」

 伸ばした手をピシャリと叩き落とされる。

 もちろん、シュエットはそんなことをしない。

 こんなことをするのは、厄介な禁書である。

「なんだよ、これくらい良いじゃないか」

「それで止まるならボクだって止めないさ。でも、今のは止まらない雰囲気だったからな!」
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