鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「末っ子のエグレットだったら、可能性もあったのかしら」

 三人きょうだいの末っ子が成功するのは、よく聞く話だ。

 女だてらにミリーレデル家の当主になったとしても、さすが末っ子となるだけである。この国では。

 だが、悲しいかな、シュエットは一番上の長女である。

 魔力もなければ強運も持っていない。そんな彼女ができることは、ただ地道にやっていくことだけなのだ。

「いいのよ。私には、この場所がある」

 怒るでもなく呆れるでもなく、どこか達観した様子で息を吐いたシュエットは、シロフクロウの頭をもうひと撫でして、カウンターへと戻った。
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