鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 ラパスも男に気がついているのか、気怠げにしていた目が獲物を前にした時のように爛々としだす。

「ラパス、襲っちゃダメよ? でも、いくらお客様が来ないと言っても店先に不審者がいるのは良くないわよね。仕方がない。ちょっと様子を見てきましょう」

 ボディガードよろしく、ラパスがシュエットの肩にひらりと乗る。鋭い爪を持っているが、それがシュエットを傷つけることはない。フクロウはとても賢いのだ。

 シュエットはラパスを肩に乗せたまま、外へ出た。

 不審者は相変わらず、窓にへばりついてミリーレデルのフクロウ百貨店を覗き見している。

 ゆっくりと警戒しながら歩み寄っていって、シュエットは男の肩を軽くたたいた。
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