鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
二章

1

 ふわり、ふわり。

 闇に紛れて夜空を飛んできた鳥が、隣のアパートメントの窓に取りつけられた手すりにとまる。

「あら」

 見覚えのあるシルエットに、シュエットは思わずとなりを覗き込んだ。

 丸くて大きな黒い目が、覗き込んだシュエットをまじまじと見つめている。

「こんばんは、モリフクロウさん」

 シュエットが世間話をするように話しかけると、モリフクロウは「ホゥ」と答えてくれた。

 首をかしげてシュエットを見つめる姿は、とてもかわいらしい。モコモコとした体は綺麗な色をしていて、一見してとても大切にされている子だと分かった。
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