鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 山と積まれた釣書に、エリオットのやる気はますます目減りする。

「結婚相手なんて、誰でも良い……」

 エリオットの言葉に反論するように、モリフクロウは羽を広げて自分の体を大きく見せながら威嚇した。

「なんだよ」

 今度はクチバシを鳴らして威嚇する。

 エリオットはムッとしながら言い返した。

「仕方がないだろう。僕は兄上のようにカッコよくないし、優秀でもない。こんな僕のお嫁さんになんて、きっと誰もなりたくないよ」

 じゃあ、この釣書は何⁉︎

 そう言いたげに、ふわりと飛来したモリフクロウが、机の上に積まれた釣書の山に着地する。
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