鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「さすが、シュエット。女家庭教師と呼ばれるだけはある」

「やめてよ。ちっとも嬉しくないわ」

 不名誉なあだ名を出されて、シュエットはムッとした。

 そんな彼女に、ベルジュネットは笑いながら謝罪しつつ、ポケットから取り出した飴玉を握らせる。

「あの気難しいパンソン先生の授業を居眠りせずに受けられるシュエットは、尊敬に値すると思う!」

「そうね。パンソン先生の授業でA判定をもらっているのはすごいことだと思うわ」

 仲の良い友人二人に褒められて、嫌な気はしない。

 二人が本気でそう思っているのが分かるから、シュエットはそれ以上怒れなくなってしまった。
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