鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「どうしたの、シュエット?」

 立ち止まって中庭を見つめているシュエットに、少し前を歩いていた二人が戻ってくる。

「ちょっと、視線を感じて……でも、勘違いだったみたい」

「視線って……もしや⁉︎」

「それは、大変。私たちがしっかり見守ってあげないと」

 二人はシュエットそっちのけで勝手に盛り上がり始めると、中庭をまじまじと眺めた。

 大切な友人の、初めての恋人になるに値する男なのか。奥手な彼女を傷つけるような男は許しませんよ、と母のような姉のような気持ちで中庭を凝視する。
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