鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 二人は、見た。ちゃんと、見た。

 描き損じたらその日一日中小さな不幸に見舞われる魔法陣を描く時のように、しっかりと。

 中庭には青年が一人、寝転がっているだけ。

 二人は確認し、ガックリと項垂れた。

「二人とも、どうしたの?」

 何が二人をそうさせたのか、シュエットには見当もつかない。

 ただ視線を感じて振り返っただけなのに、なんだか大げさである。

 キョトンと不思議そうにしているシュエットに、二人はやれやれと首を振った。
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