鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「どうもこうもないわ。彼はない。ないったら、ない。シュエットにはもっとふさわしい相手がいるから、気にしないでおきなさい」

「ええ、そうですとも。彼だけは、あり得ません」

 よくはわからないが、中庭にいる青年は、シュエットと合わないらしい。

 しかも、シュエットをよく知る二人にこぞって「ない」と言わせるなんて。

 そんなに気になっていたわけではなかったのに、むくむくと興味が湧いてくる。

「あの、どうしてって聞いても良いかしら?」

 シュエットの質問に、二人は難色を示した。

 だが、言わないことで興味を持たれてはたまらない。二人は渋々、口を開いた。
< 65 / 361 >

この作品をシェア

pagetop