鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「いつも一人で行動していて人付き合いも悪いし」

「しょっちゅう授業をサボって中庭で寝ているの」

「そのせいで成績はいつも最下位。留年しないのが奇跡だとも言われている」

「赤点大魔王、エリオット」

「「それが、彼」」

 息ピッタリにさえずり合う番の小鳥のように、二人は言い放った。

 本当に、前もって練習していたのではないかと思うくらい、テンポが良い。

「確かに、それだけ聞いたら、私とは正反対ね?」

 一人が苦手で、団体行動や人の世話を焼くことが好き。成績優秀で、真面目すぎるくらい真面目で、融通のきかない女家庭教師みたいな子──シュエットとは、真逆のような人である。

(でも、だからといって私と合わないというわけでもない)

 シュエットはエリオットのことを何も知らないのに、なぜかそう思った。
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