鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
(だから私は、甘えてくれる方が気が楽なのよね)

 シュエットは、甘えることが苦手だ。

 幼い頃から頼らない生活を続けてきたせいで、誰かに頼ることがひどく悪いことのように思えてしまう。

 本当にどうしようもない場面にならないと、助けてと言い出せなかった。

 とはいえ、本当にどうしようもなくなることなんて早々ない。

 シュエットはいわゆる器用貧乏というやつで、大抵のことはどうにかなってしまったからである。

 おかげでと言うべきか、そのせいでと言うべきか。

 誰かに頼みごとをするくらいなら、血反吐を吐いてまでも自分で解決しようとする、クソ真面目で融通のきかない、優等生に育ってしまった。
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