鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 頼みごとをする時は不本意すぎて、無表情になってしまうかわいげのなさ。

 自分でもどうにかしなきゃとは思っているのだが、何から手をつけていいものか。

 友人たちに助けを求めようにも、助けての一言さえ言えないでいる。

「私、甘えるより甘やかす方が得意だけれど」

 だからせめて、得意だと思える世話焼きで挽回しようとしたのだが、結果は不名誉なあだ名である。

 クラスメイトから初めてそう呼ばれた時のことを思い出して、シュエットはガッカリした。

「でもさ、シュエットがどうしようもなく疲れてしまった時、そういう男は助けてくれないよ? そういう時でも、“俺の飯は?”なんて聞いてくるって、姉さんが言ってたもん」
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