鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 エリオットはやっぱりな、と思った。

 そして少し、悲しくなった。そう、少しだ。決して、すごく悲しくなったわけではない。

 それから、二人の少女はまた好き勝手言った。

 もうその頃には、エリオットは彼女たちに興味がなくなっていて、早く三人がどこかへ行けばいいのに、なんて思っていた。

「そうかしら?」

 二人の言葉を否定するように、シュエットは言った。

 ──そうかしら。

 それは、何に対して言っていたのか。

 ちゃんと聞いていなかったせいで、よく分からない。

 けれど、その言葉はやけに耳に残った。
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