鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「私、甘えるより甘やかす方が得意だけれど」

 そう言うシュエットに、エリオットはそうだろうと訳知り顔で頷きそうになった。

 だって、彼女と似ている兄は、いつもエリオットをあの手この手で甘やかそうと必死だ。

 両親の愛に恵まれないエリオットをかわいそうに思ってか、いつもあれこれと世話を焼いてくる。

 少々やり過ぎがたまに傷だが、それでも彼が一生懸命なのがわかるから、エリオットは兄を嫌えないでいた。

「でもさ、シュエットがどうしようもなく疲れてしまった時、そういう男は助けてくれないよ? そういう時でも“俺の飯は?”なんて聞いてくるって、姉さんが言ってたもん」

 だが、続いた会話にエリオットはやっぱりなと思った。
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