鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 やっぱり、エリオットなんて誰も好きになってくれない。どんなに頑張っても兄のようになれないし、こうしてやさぐれることしかできないのだから。

 情けなさにそっと息を吐いていると、話題は恋愛小説のことに移っていく。

 包容力のある大人の男性がモテるというような内容に、やはり兄のような人物でなければ愛してもらえないのだと、エリオットは落ち込んだ。

 それからだ。エリオットの視界に、やたらとシュエットが入り込むようになったのは。

 どういうことだか、ちっとも分からない。彼女は一体、何がしたいのだろう。

 友だちになりたいのだろうか。

 初めての友だちを夢想して、エリオットは少しだけ嬉しくなった。

 だけど、エリオットから話しかける勇気なんてなくて。
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