鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 そもそも、話しかけるにはどうすればいいのか。

 そんなことを考え込んでいるうちに、彼女は視界からいなくなってしまう。

 これじゃあ、友だちになんてなれそうにない。

 そんな時、エリオットはふと思い出したのだ。シュエットの友人が言っていた言葉を。

 彼女は確か、こう言っていた。

『最近読んだ恋愛小説にもそんなものがあったわ。そして、包容力のある男性が手を差し伸べて、彼女はそっちに気持ちを傾けていくの……』

(それだっ!)

 エリオットは図書館へ向かうと、片っ端から恋愛小説を読み漁り出した。

 幸い、授業に参加しなくてもお咎めなんてなかったから、時間はたっぷりある。

 ラッキーなことに、図書館からは中庭に面した廊下がよく見えた。
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