鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
「ちょっと授業でわからないところがあってさ。今から図書館で教えてもらえないかな」

 気安くシュエットの手を握る男子生徒に、エリオットの気持ちがささくれ立つ。

(僕なんて、まだ声もかけられないのに!)

 エリオットは喉から手が出るくらい友だちがほしくてたまらないのに、男子生徒は容易く彼女に触れている。

(そもそも、唐突に女性の手を握るなんて、非常識では?)

 イライラする。

 湧き上がる感情の勢いに呑まれそうだ。今なら、男子生徒に話しかけられるような気さえする。
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