鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 ヴォラティル魔導書院の禁書が、禁書たるゆえん。それは、その強制力にある。

 膨大な魔力を有する王族でさえ抗えない強制力を持つからこそ、三冊の禁書は禁書なのだ。

 むかしむかし、リシュエル王国の王族は、魔術で嫁を選び、婚約し、婚姻していた。

 魔術師の国と呼ばれる、リシュエルらしい方法だ。

 選ばれた花嫁は、大変不名誉なことに『生贄の花嫁』と呼ばれている。

 それはむかしの王族が、人の身に余る魔力を保有していたせいで、花嫁が短命に終わるからだった。
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