鳥籠公爵は二度目の初恋を逃がさない〜迷子のモフモフを見つけたら、公爵様に溺愛されました〜
 自分が早死にすると知っていて応じる娘は多くなかったし、娘が早死にすると知っていて、喜んで差し出す親もそう多くない。

 だから、公平に魔術で嫁を選び、選ばれた女性が逃げないように婚約し、婚姻まで持っていくのである。

 なんともひどい話だが、それも昔の話だ。

 今となっては、人の寿命に影響を及ぼすほどの魔力を保有する王族もいない。

 時代とともに『生贄の花嫁』は必要なくなった、というわけである。

【嫁選びの書】ができることは、三つ。

 対象の王族にふさわしい女性を見つけること、選ばれた女性が王族と離れられないようにすること、王族と女性が仲良くなるための試練を課すことである。
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